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008/062703 |
こんちは!黒田ビューネ倫弘です。 まだスタジオにいます。と、レコーディングの話ばかりしてても停滞しちゃうので、今日は・・・あかん、寝ても覚めても仮想恋愛に没入している僕には、それでもパタパタと走りより、ちょっかいを出してくれるらぴにただいまのチューをするのが精一杯。 昨日TDが終わった「リズム」という曲の話。これがどんなに悲惨だったか。僕のセカンドアルバム「遠雷-out of the garden-」の中に、「ソレハサテオキ」という曲があって、ストーカーの恋心を歌ったもの。あれを歌った日のスタジオもドヨーンと重い空気に満ちていたけど、昨日のはその比じゃなかった。1曲の中で恋を始め、確かめ、疑い、腹の中までさらして、嫉妬や汚辱にまみれて、その恋に自分を陥れて行く「僕」の物語りが圧縮されているラブソング。目的は恋愛の快楽にあって、心も体も溺れるように快楽に吸い込まれていこうとする「僕」を書くのも歌うのも、面白いんだけど、ものすごくしんどい作業だった。知らない奴が降りて来て確実に僕をのっとり始める。主人公の「僕」がだれにどう恋をして囁いてるのか、書かれた行間に潜むものが何なのかは、説明するもんじゃないから、BABIちゃんにもうらうら(エンジニアの三浦くん)にも伝えずに、勝手に歌い、「どうかな」とたずねる。最初のオーディエンスが彼らだ。 降りて来てたものを追い払うように、自分で「キショッ」と言って、ブースから戻ると気まずい空気。 ねちっこいエロソングも、大概の場合、「お!今んのとこ、えーね」「こわっ、キテル」などと大らかに会話しながら録ってきたけど、今回の変態ラブソング、だれも何も言ってくれない。っつーか目をあわせてくれない。(笑)俺、やばいのかな。でも、しあがりはムチャクチャかっこいいんだよな。 スタジオ帰り、ミックスした音を、朝の通勤ラッシュが始まった街を走りながらきいてみる。「あ、いいかも。」他の曲とならべて聴いてみる。「うん。いいかも。」この曲、大好きな岡村ちゃん(岡村靖幸)のもっともキショカッコエー曲にオマージュをこめて作った。自分が歌ったもんじゃなければ、「げ、やられた」と思うシロモノになったんだから、正解なんだと思う。 なんでもそうだと思うけど、自分の価値観で物事を進めて行くのって、けっこうしんどい。誰かにきければラクかもしれないし、もちろんもらったアドバイスから面白いものが生まれていくこともたくさんある。それにしたって、自分で自分のケツをふけなきゃ、くるしさも楽しさも半減するよ。悩みに悩んだコイツが9月3日にはみんなに届く。この曲に限らず、僕のアルバムを初聴きしてるみんなの顔を想像する。想像してもしきれない。それが僕をもっともっとわくわくさせるんだ。ビューネくんになってみんなの隣でみてたいよ。と、いうようなところまで思いを馳せると、曇っていた視界が晴れてくる。 「よっしゃ」と口に出して、エンジンを止め、部屋にもどった。駅に急ぐ人とすれ違いヘトヘトな僕も胸を張る。みんな良い一日を。僕はビールを1本。おやすみなさい。 |
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