黒田倫弘「WEAVER STANCE」 |
音楽ライター・藤井徹貫さんより 今日、やっと落ち着いて聴きました。 『WEAVER STANCE』。幅広い10曲をまとめるにも、今の黒田君の佇まいを表すにも、最高のネーミングだと、アルバムを聴いて改めて思いました。 「太陽の日々」。いい曲だなー。本当にいい。眼がギラッと光っている歌声もいいし。ジャケットの内ポケットとかさ、デニムのお尻のポケットとかに隠しているクレイジーが聴こえてくるのもいい。もちろん歌詞もいい。素晴らしい。けど、歌詞から伝わる以外の、そういうギラッとか、クレイジーな匂いとか、そういうものが歌には大事なような気がした。 「I'm fine」。不思議な1曲でした。最初は、歌というより語りみたいな印象で。独り言を聴いているかんじというか…。ところが、歌が進むと、徐々に、いつのまにか、メロディという道に沿って、歌詞の世界に入っていた。みたいな印象。「ねじこむ」歌と「ひきこむ」歌があるなら、これ完全に後者ね。昨今の、冒頭10秒で決着をつけるJ-POP定型とは異なる歌だよね。1曲聴いてわかる歌。1曲聴かせる歌だし。ボーカリストとしてもそうだけど、ソングライターとしても、試行錯誤してきた黒田君の、何か大きな実りだと思います。 「彗星の如く」。言葉尻がスパッと、心地良く、潔く斬れる、クロリンスタイルのVo。スカッとしました。 「それでもイッツオーライ!」。奥田民生風?あはは。そんな気ないか?御免ね。この鷹揚な(ちょっと毒気のある呑気な)1曲が、ある意味ピリピリした「REASON MONSTER」やある意味緊張感がある「ラブレター」とのコントラストで、妙に浮き上がるよね。逆も言えるし。これがあることで、「REASON MONSTER」や「ラブレター」が浮き上がる。 「Thank you Baby」。このボーカルはさすが黒田君と思いました。キーやメロとのかかわりもあるだろうけど、声を重く鳴らさず、さわやかさのツマミを上げめにして。「ひきこむ」歌側に着地させているというのかなー。聴きました。 「ラブレター」。いい曲ですねー。エクセレント!!! 格好いい。馬場君も素晴らしい仕事しているし。僕の好きなクロリンが詰まっている1曲。♪この手を伸ばし…。ライブの映像が目に浮かびました。その意識はなかったかもしれないけど、こういう形でライブと連動するのも大事かも。 自分の中で、よくやる事だけど…。 そうしたら、印象よりも、キラキラ側の曲が多かったです。
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