黒田倫弘「sprout」


ソロ活動15周年記念アルバム、黒田倫弘初のベスト盤は、新録アコースティック11曲入りの「sprout」。そしてこのアルバムはアコースティックアルバム第一弾でもある。

Rag Time Batakeと名付けられたアコースティックシリーズは2012年9月からスタート。何かを生み実のらすBATAKE=畑から生まれた「芽」=「sprout」がテーマの一つ。


1. daughter beyond ashes
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉
2004年リリース4thアルバム「SEED」収録曲。最近のインタビューで黒田自身が語ったのは、いわゆる万人受けするポップナンバーを中心に据えていないアルバムで、唄い続けることへの迷いのただ中にいて制作されたアルバムだということ。 にもかかわらず、ファンの間で強く支持されている作品であるということ。通常のライブメニューではなかなか登場しないこの曲は、黒田自身より先にファンに愛され、昨年自身によって再発見され、アルバムをまるまるアコースティックアレンジしてライブをおこなう「アルバムばたけ」を行うきっかけとなった曲。収録アレンジはギター・ピアノ・ジャンベ・ベル。国境を超える世界観を持つトラックに仕上がった。


2. スリルバカンス
作詞:黒田倫弘 / 作曲:岡村靖幸 / 編曲:馬場一嘉
2000.10.18リリースの作詞:黒田倫弘・作曲:岡村靖幸のファンク。1stシングルです。シングルレコーディングでもアコースティックギターで参戦した馬場一嘉が、現在までの黒田倫弘ソロワークサウンドプロデューサーかつバンマスであり、アコギ1本に歌のスタイルで、全国インストアライブ行脚を実現した相棒ギタリストその人である。黒田のソロ初ライブは2000年8月7日に、今はない原宿RUIDOでノンクレジットゲリラライブで初演奏。その時のスタイルそのまま、せーのでレコーディング。15年の月日を経て艶を増したボーカルと円熟のギターで実現。


3. あてにならない僕の天気予報
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉・江草一平
「Future In Blue」収録のポップバラード。馬場一嘉とのアコースティックライブで、かなり早い時期からボサノバアレンジされ、アコースティックライブでも長年あいされてきた楽曲。3月のBATAKEで、馬場一嘉が新バージョンを提案して、このアレンジが生まれた。 深みを増した黒田のボーカルが、格別に優しいトーンを伴って唄われる珠玉の名バラードとなっている。


4. 花〜shaved ice version〜
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉
原曲は2008年リリーズ7thアルバム「フロンティア」に収録。 シンプルで優しさにあふれたバラード。今回は馬場がギターをウクレレにもちかえて、ハワイアンフラワーとなった。2014年にハワイに撮影・イベント旅行に渡航した際、異例ながら、黒田自身がウクレレで慣れないつまびきとともに唄ったのが「花」だった。楽器の音色が一瞬にして空気の匂いと動きを表現して、時と場所から解放する力を持つ事を実感できるすばらしいトラックになっている。

5. 99 BLOOD
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:黒田倫弘・江草一平・Tacos Naomi
2011年リリース「VANILLA SKY」収録曲。オリジナルはセクシーでダルなダンスビートがアコースティックナンバーとして実現。アコライブBATAKEシリーズのメインキャストでもある黒田・江草一平・Tacos Naomiのトリトによる。心臓の鼓動まで聴こえてきそうなボーカルは必聴。通常であればアコアレンジを試みることはまずなかっただろう、アルバムBATAKEである意味「しかたなく」アコアレンジすることで生まれた名曲。


6. ボルケーノ
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉・永井誠一郎
6thアルバム「unchanged」(2006年)収録のハンサムなロックナンバーが「ボルケーノ」であり、 通常のアコースティックライブではセレクトされないタイプの楽曲ながら、当時のライブバンドキーボーディスト永井誠一郎が生んだ珠玉のロックアコースティックアレンジ。このアレンジの誕生は、プチブルとともに黒田のアコースティックライブ活動に大きく貢献するビッグイベントになった。今作でも、敬意をこめて永井誠一郎にピアノ&コーラスを依頼し、当時「クロバビセイ」と呼ばれた3人のアンサンブルが実現。見事なアコロックチューンとなった。

7. 蒼寂
原曲は2003年 3rdアルバム「Future In Blue」収録。「麗しのR&R スター」とのダブルA面でシングルリリースされている。映画2作に出演したこの年、映画音楽の制作の流れで、生まれた楽曲。自殺する青年の役柄も影響して、死へと閉じていくラブソングとして書かれるが、美しい旋律と繊細な歌詞は、豊かに唄われる事で生を得る不思議な魅力をもったバラード。Rag Time Batake7月公演で喝采を得て、このアコースティックバージョンでは、馬場一嘉の優しいピアノとアコースティックギターと黒田の歌で綴られている。


8. CANDY DAYS
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉・江草一平
2013年11thアルバム「Wonder Drive」のシングル曲。奥田やすひろのカホン・馬場、江草のアコギ・ピアノが見事な調和を生んだアコロック。清々しくも柔らかくのびやかな黒田のボーカルも必聴。アルバムツアー以来、バンドでもアコースティックでも強く支持されている1曲。


9. 想
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉・江草一平
2015年12thアルバム「Starting Over」からは、今、黒田倫弘がもっとも圧倒的なボーカル力・表現力を発揮できるロッカバラードが選曲された。 触っただけでケガをしそうな研がれた刃のような側面をもつオリジナルと並べると、優しさと奥深さが格段に増幅されて感じられると同時に妖しさを増したボーカルが必聴。黒田・馬場・江草のトリオでレコーディングされている。


10. プチブル〜Bulldog 66
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:馬場一嘉
2002年リリース2ndアルバムにして今も名作と熱く支持される「遠雷-out of the garden-」収録のバンドロックナンバーが、このアコギのカントリーファンクで披露されたのは2003年1月のイクスピアリインストアライブ with 馬場一嘉。クロダが楽曲がアレンジで違う顔を持ち違う歌を生むという面白さに目覚めた記念曲。「プチブル」は、バンドじゃなくてアコギと2人の小さなユニット形式=プチなブルドッグから。以降、ファンの間に浸透し愛されている。


11. my song for you
作詞 / 作曲:黒田倫弘 / 編曲:黒田倫弘・江草一平・Tacos Naomi
「VANILLA SKY」収録であり、2010年記念ライブのために書かれた美しいポップナンバー。黒田・江草・NaomiのBATAKEトリオ+馬場一嘉のコーラスに、BATAKEライブの観客コーラス協力を得て生まれた愛すべきバラードである。黒田曰く、BATAKEトリオで演奏したのを聴いた馬場一嘉が完成している!と太鼓判を押してくれたアコナンバー。ファンにも愛されている大切な楽曲だ。